バス、ギル、アメキャ等がリリース禁止の理由と釣れたときの対応

2026年1月時点

 この記事では、ブラックバス類(オオクチバス、コクチバス)、ブルーギル、アメリカナマズ(アメキャ、チャネルキャットフィッシュ)、ブラウントラウト、レイクトラウトなどがリリース(再放流)禁止とされている法的根拠と理由、禁止されている場所において実際に釣れた際にはどうすればよいかについて説明します。

これらの魚を釣るのに遊漁券は必要か

ブラックバス、ブルーギルリリース

リリース禁止の法的根拠

 ブラックバス類(ラージマウスバス、スモールマウスバス)、ブルーギル、アメリカナマズ(アメキャ、チャネルキャットフィッシュ)は、いずれも外来生物法によって特定外来生物に指定されていますが、法律によって全国一律にリリース(再放流)が禁じられているわけではありません。

 各都道府県の①条例又は②内水面漁場管理員会の指示によって、一部の都道府県、エリアにおいてリリースが禁止されている状況です(ほとんどの場所が②を根拠にしています。)。

  各都道府県の内水面漁場管理委員会(設置されていない場合は海区漁業調整委員会)は、関係者に対し、漁業法第171条第4項、第120条第1項に基づき、それぞれの地域の実情に応じた「指示」を出すことができるとされています。

 ブラウントラウトとレイクトラウトについては、外来生物法の特定外来生物には指定されていませんが、国が定めた生態系被害防止外来種リスト(我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト)に産業管理外来種(適切な管理が必要な産業上重要な外来種)として掲載されています。

 これに従い、やはり一部の都道府県では、①条例又は②内水面漁場管理員会の指示によってリリースを禁止している状況です。

 なお、ニジマスについても、ブラウントラウトとレイクトラウトと同様、産業管理外来種として掲載されていますが、リリース規制は進んでいないようです。

リリース禁止の理由

 ブラウントラウトは1892年、ブラックバス類は1925年、ブルーギルは1960年、レイクトラウトは1966年、アメリカナマズは1971年に、食用などの目的でそれぞれ日本に移入されたとされています。

 しかし、いずれも食用としては広まらず、その強い繁殖力と捕食性(食害)によって、在来魚が減少している要因と考えられており、更なる増殖を抑え本来の生態系を守ることがリリース禁止の理由になっていると思われます。

違反した場合の罰則

 上記のとおり、リリース(再放流)禁止は、①各都道府県の条例で定められた場合と②各都道府県の内水面漁場管理委員会指示で定められた場合があります(ほとんどの場所は②)。

① 条例違反の場合

 当該条例に罰則が定められている場合は、当該罰則を受けることがあります。

 なお、滋賀県の琵琶湖では条例によって次のとおりリリースが禁止されていますが、罰則は定められていません。

(外来魚の再放流の禁止)
第18条 レジャー活動として魚類を採捕する者は、外来魚(ブルーギル、オオクチバスその他の規則で定める魚類をいう。)を採捕したときは、これを琵琶湖その他の水域に放流してはならない。

滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例

② 内水面漁場管理委員会指示違反の場合

 違反者を把握した内水面漁場管理委員会が都道府県知事に対して指示を守るよう命じて欲しいと申請すると、当該知事は違反者に対して指示に従うよう命じることができ、違反者がその命令に従わない場合、1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処せられる可能性があります(漁業法第171条第4項、第120条第8項~第11項、第191条)。

リリース禁止の場所で釣れた場合どうすればよいか

 リリースが禁止されている魚が釣れた場合、釣り人はどのように対応すればよいのでしょうか。

生きたまま移動すれば外来生物法違反になり得る

 上記のとおり、ブラックバス類(オオクチバス、コクチバス)、ブルーギル、アメリカナマズ(アメキャ、チャネルキャットフィッシュ)は、いずれも外来生物法によって特定外来生物に指定されていますが、これらの魚を生きたまま(生きていないものは特定外来生物にあたらない(第2条第1項))移動(持ち出し)することは禁止されています(第4条)。

 また、その移動が「販売又は頒布をする目的」で行われた場合は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれらを併科されることがあります(第32条第1号)。

 罰則が適用されるには「販売又は頒布をする目的」が要件になっていますので、例えば自分で食べたり飼育する目的での移動であれば、禁止行為ではあるものの犯罪は成立しません。

(飼養等の禁止)
第4条 特定外来生物は、飼養等《飼養、栽培、保管又は運搬のこと(第1条)》をしてはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
 一 次条第1項の許可を受けてその許可に係る飼養等をする場合
 二 次章の規定による防除に係る捕獲等その他主務省令で定めるやむを得ない事由がある場合

第32条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一 第4条の規定に違反して、販売又は頒布をする目的で特定外来生物の飼養等をしたとき。
(以下省略)

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律

 ブラウントラウトやレイクトラウトについては、特定外来生物には指定されていませんので、外来生物法の規制はかかりませんが、各都道府県によっては、条例又は内水面漁場管理委員会指示によって生きたままの移動(持ち出し)を禁止していることがあります。

埋めたり放置すれば不法投棄になり得る

 上記のとおり、リリース禁止の釣った魚を生きたまま移動することができないからといって、陸に揚げて捨てたり、放置したり、土に埋めたり、殺して水中に戻すことは、不法投棄として5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、又はこれらを併科されることがあります(廃棄物処理法第16条、第25条第1項第14号)。これには未遂罪も設けられています(第25条第2項)。

(定義)
第2条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
(以下省略)

(投棄禁止)
第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(省略)
 十四 第16条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
 十五 第16条の2の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
 十六 第16条の3の規定に違反して、指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分をした者
2 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

 また、不法投棄とまでは言えないような場合であっても、軽犯罪法に該当し、拘留若しくは科料、又はこれらを併科されることがあります(第1条第27条、第2号)。

第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
(省略)
 二十七 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
(以下省略)

第2条 前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。

軽犯罪法

 さらに、魚の死体を河川に捨てた場合は、河川法施行令違反として、3月以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処せられることもあります(河川法施行令第16条の4第1項第2号ハ、第59条第2号)。

結論:回収ボックスに入れるか、シメて持ち帰る

 上記のとおり、リリース禁止の釣った魚は、生きたまま移動(持ち出し)することができませんし、その場に捨てることもできません。

 では、どうすればよいのでしょうか。

 リリース禁止の釣り場によっては、回収ボックスや回収いけすが設置されていることがあります。その場合は、当該回収ボックス等に入れることができます。

 回収ボックスや回収いけすがない場所において、リリース禁止の魚が釣れた場合、その場でシメて持ち帰り、調理して食べるか、生ゴミとして廃棄するのが適切な対応になります。

 どうしても持ち帰りたくない場合は、その場所で漁業権を持つ漁業協同組合に連絡して相談してみて下さい。

福島県、茨城県、栃木県の規制状況

 参考までに、福島県、茨城県、栃木県の規制状況は次のとおりです。

 福島県:リリース禁止規制なし。

 茨城県:リリース禁止規制なし。

 栃木県:オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)、ブラウントラウト、レイクトラウトについてリリース禁止(栃木県内水面漁場管理委員会指示)。

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