ネット上の著作権問題 アニメ、漫画、写真、動画、音楽、ゲームの掲載

2026年1月時点

 この記事では、ブログ、ウェブサイト、SNS、ユーチューブなどにおいて、他人が制作したアニメ、漫画、イラスト、写真、静止画、映像、動画、音楽、ゲーム画像等を投稿、掲載、アップロードすることが、著作者の権利を侵害するのか、侵害した場合の法的責任や罰則、侵害しないようにするための対応について解説します。

著作権

ネット上では著作権侵害が横行している

 現在のインターネット上は、残念ながら著作権侵害が横行している状況です。

 他人の著作物であっても、写真撮影、動画撮影、ダウンロード、コピーアンドペースト(コピペ)、スクリーンショット(スクショ)、キャプチャ、文字起こしなどの方法によって、簡単に自分の支配下に置くことができてしまうため、意識をしていないと、誰もが著作権を侵害してしまう可能性があります。

 著作者による著作権侵害への対応は、黙認、見つけ次第警告する、悪質な場合にのみ警告するなど、そのスタンス、考え方によって様々ですが、場合によってはいきなり法的請求に及ぶこともあります。

なぜ著作権制度があるのか

 著作権制度は、何のために、どうして存在するのでしょうか。

 著作権制度が必要な理由は、自分がイラストレイター、マンガ家、作曲家などになったとイメージすれば簡単に理解できます。

 自分が苦労して創作した作品やキャラクターが、どこの誰かも知らない人に、無断で、あたかもその人が生み出したかのように使われていたらどんな気持ちになるでしょうか。

 そして、それを防いだり排除する手段がなかった場合、どんな世の中になってしまうでしょうか。他人の作品をパクリ放題、盗作したもの勝ちの、無秩序で不公正な社会になってしまいます。

 著作権制度は、著作者等の権利の保護を図り、秩序ある公正な文化社会を築くことを目的にしているわけです。

著作者の権利、著作権、著作物とは

 著作者の権利は、誰かが「著作物」を創作すると、自動的に(許可、免許、登録などを必要とせずに)発生し、その著作物を創作した「著作者」に帰属します。プロかアマチュアか、上手か下手か、有料か無料かは、一切関係がありません。

 「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます(著作権法第2条第1項第1号)。

 アニメ、マンガ、イラスト、写真、映画、動画、音楽、ゲームなどは全て「著作物」にあたります。ただし、創作性(表現者の個性)が認められないもの、例えばどこにでもあるようなありふれた表現の文章は「著作物」にあたりません。

 著作者の権利は、大きく著作人格権と著作権(財産権)に大別されます。

 上記の内、ネット上での掲載において主に問題となるのは、同一性保持権、複製権、演奏権、公衆送信権、翻案権です。

アップロードは公衆送信権侵害

 ブログ、ウェブサイト、SNS(X、Instagram、Facebook、LINE等)、YouTube等に、次のものを投稿、掲載、アップロードすると(アイコンやサムネイルとしての使用も含む。)、著作者の公衆送信権(著作権法第23条第1項)を侵害するおそれがあります。営利目的か非営利目的かは関係ありません。

  • アニメの動画、その切り抜き静止画
  • ドラマ、映画、映像、その切り抜き静止画
  • マンガ、イラスト、キャラクター画像
  • 他人が撮影した写真、他人の著作物を撮影した写真
  • コスプレ写真
  • 楽曲、歌詞
  • ゲームのプレイ動画、その切り抜き静止画
  • 詩、小説、本、論文、ブログ記事、テキスト、新聞、雑誌
  • 脚本、セリフ
  • 絵画、版画、書
  • 彫刻、フィギュア
  • 地図、図表

(公衆送信権等)
第23条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

著作権法

買った著作物でも違法

 お金を出して著作物を購入しても、売主から買主に移転するのは「所有権」だけであり、「著作権」については、「著作権を譲渡する」という契約が別途行われていなければ、引き続き著作権者が保有しています。

 例えば、有料でダウンロードした音楽をYouTubeにアップロードすれば、上記の公衆送信権侵害となります。

一部改変、加工、パロディも違法

 インターネット上では、他人の著作物に変更、カスタマイズを加えたものをアップロードしている事実も散見されますが、これらの行為は、上記の公衆送信権の他、著作者の同一性保持権(著作権法第20条第1項)及び翻案権(第27条)をも侵害するおそれがあります。

 例えば、動画やイラストの色調変更、マンガのセリフ差し替え、コスプレ、ファンアート、楽曲アレンジなどです。

(同一性保持権)
第20条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
(以下省略)

(翻訳権、翻案権等)
第27条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

著作権法

私的使用も通用しない

 他人の著作物であっても、私的使用(私的利用)の場合には複製(コピー)、翻訳、編曲、変形、翻案(カスタマイズ)が許されるとの例外がありますが(著作権法第30条第1項、第47条の6第1項第1号)、アップロード(公衆送信)は対象外ですので、私的使用を主張したところで、公衆送信権侵害は免れません。

私的使用の解説はこちら

アップロードが違法とならないための対策

 では、画像、動画、音楽、テキスト等を、自身のブログ、ウェブサイト、SNS、ユーチューブなどへ適法に投稿、掲載、アップロードするには、どうすればよいのでしょうか。

使用が許された著作物を使用する

 著作者から使用・利用の許可を得れば著作権侵害にはなりません。

 また、著作物の中には、あらかじめ著作権フリーであることを明示して公開されているものがあります。このような著作物は、その著作者が許可している範囲内での使用であれば、著作権侵害は生じません。

 ゲームの画像、映像の使用については、各社が定めているガイドラインなどで許可の有無やその範囲を確認することができます。

保護対象でない著作物を使用する

 著作物の中には、保護対象でないものあります。次のような著作物については、著作権侵害は生じません(著作権法第13条)。

  • 憲法、法律、政令、省令、条例その他の法令
  • 国等が発する告示、訓令、通達等
  • 裁判所の判決、審判、行政の裁決等
  • 上記について国等が作成した翻訳物や編集物

(権利の目的とならない著作物)
第13条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
 一 憲法その他の法令
 二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(・・・)又は地方独立行政法人(・・・)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
 三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
 四 前3号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

著作権法

保護期間が過ぎたものを使用する

 著作権は永久に存続するわけではなく、保護期間(原則として著作者の死後70年)が定められています。保護期間を経過した著作物には著作権がないため、著作権侵害も生じません(著作権法第51条以下)。

(保護期間の原則)
第51条 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第1項において同じ。)70年を経過するまでの間、存続する。

著作権法

自分で創作したものを使用する

 自分で撮影した写真、収録した映像、制作したイラスト、音楽、文章、図表などは、自分自身に著作権が発生しますので、他人の著作権を心配することなくアップロードすることができます。

 ただし、自分で作ったとしても、他人の著作物に依拠した(もとにした)もの、いわゆる「盗作」「パクリ」は、著作者の複製権(著作権法第21条)や翻案権(上記)を侵害するおそれがあります。

(複製権)
第21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

著作権法

撮影、収録の注意点

 写真や映像は、その撮影、収録者が著作者となります。

 しかし、被写体が他人の著作物である場合、その写真をネットにアップロードすれば、被写体の著作者の複製権公衆送信権(上記)を侵害するおそれがあります。

 例えば、漫画の一部(切り抜き)やフィギュアを写真撮影してブログ記事に掲載したりSNSで投稿するような場合です(なお、漫画やフィギュアが自分で買ったものであったとしても著作権侵害になることは上記のとおりです。)。

 微妙なのが、レストランなどの飲食店で提供される料理を写真撮影する場合です。定食屋で提供されるようなありふれた種類、見た目、盛り付けであれば、その料理には創作性が認められず、そもそも著作権が発生しませんが、オリジナリティ溢れる独創的な見た目や斬新な盛り付けの料理には創作性が認められ、著作権が発生する可能性があります。 

背景への写り込みは可

 写真撮影や映像収録の際、背景にある著作物(ポスター、キャラクターなど)が写り込んだり、周囲に流れている音楽BGMが収録されることがあります。このような場合にまで著作権侵害が生じてしまうとなれば、街中で写真や映像を撮ることが非常に難しくなってしまいます。

 そのため、写真撮影等の方法によって著作物(メイン著作物)を創作するに当たって、メイン著作物に係る撮影等の対象とする事物等から分離することが困難であるため付随して対象となる事物等に係る他の著作物(付随対象著作物、サブ著作物)は、当該創作に伴って複製又は翻案しても侵害行為には当たらないとされています(著作権法第30条の2第1項)。

 また,複製又は翻案された付随対象著作物(サブ著作物)は、メイン著作物の利用に伴って利用しても侵害行為に当たらないともされています(同条第2項)。

(付随対象著作物の利用)
第30条の2 写真の撮影、録音、録画、放送その他これらと同様に事物の影像又は音を複製し、又は複製を伴うことなく伝達する行為(・・・「複製伝達行為」という。)を行うに当たつて、その対象とする事物又は音(・・・「複製伝達対象事物等」という。)に付随して対象となる事物又は音(複製伝達対象事物等の一部を構成するものとして対象となる事物又は音を含む。・・・「付随対象事物等」という。)に係る著作物(当該複製伝達行為により作成され、又は伝達されるもの(・・・「作成伝達物」という。)のうち当該著作物の占める割合、当該作成伝達物における当該著作物の再製の精度その他の要素に照らし当該作成伝達物において当該著作物が軽微な構成部分となる場合における当該著作物に限る。・・・「付随対象著作物」という。)は、当該付随対象著作物の利用により利益を得る目的の有無、当該付随対象事物等の当該複製伝達対象事物等からの分離の困難性の程度、当該作成伝達物において当該付随対象著作物が果たす役割その他の要素に照らし正当な範囲内において、当該複製伝達行為に伴つて、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 前項の規定により利用された付随対象著作物は、当該付随対象著作物に係る作成伝達物の利用に伴つて、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

著作権法

歌ってみた、演奏してみた動画の注意点

 自分が歌ったり演奏したシーンを収録した動画をアップロードする場合であっても、その楽曲が他人の創作したものである場合は、上記の複製権、公衆送信権の他、演奏権(著作権法第22条)を侵害するおそれがあります。

 もっとも、YouTubeなど一部の大手動画共有サービスにおいては、著作権管理サービスを提供するJASRAC(ジャスラック)などと包括的利用許諾契約が結ばれており、ユーザーは、JASRACなどが管理する多数の楽曲について、カバー利用(自分で歌ったり演奏すること)することが許可されています(いわゆる「歌ってみた」「弾いてみた」系の動画)。

 ただし、許されているのは、メロディー(旋律)と歌詞を使用することですので、販売・配信されている音源(カラオケ音源を含む。)そのものを使用することはできません。

(上演権及び演奏権)
第22条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

著作権法

引用として使用する

 著作権法上認められた「引用」(著作権法第32条第1項)にあたれば、著作権者の承諾を得ずに、他人の著作物をブログ、ウェブサイト、SNS等に投稿、掲載、アップロードすることができます。

 引用として認められるためには、たんに出所・出典を明示すればよいわけではありません。はっきり言って、インターネット上において引用名下で使用されている著作物の多くは、引用としては認められないと言わざるを得ないものです(特にアニメ、マンガ系のコンテンツ)。

 引用判断については、最判昭和55年3月28日によって、「明確区分性」「主従関係」という2つの要件が定立されていましたが、現在では、以下の裁判例のように様々な要素を総合考慮して判断するのが主流とされているようです。

 ・・・公表された著作物は、公正な慣行に合致し、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で引用して利用することができると規定されているところ(同法32条1項)、他人の著作物を引用して利用することが許されるためには、引用して利用する方法や態様が公正な慣行に合致したものであり、かつ、引用の目的との関係で正当な範囲内、すなわち、社会通念に照らして合理的な範囲内のものであることが必要であり、著作権法の上記目的をも念頭に置くと、引用としての利用に当たるか否かの判断においては、他人の著作物を利用する側の利用の目的のほか、その方法や態様、利用される著作物の種類や性質、当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などが総合的に考慮されなければならない。

知財高裁平成22年10月13日判決

 以上のような総合考慮による判断となると、どのような場合に引用と認められ、どのような場合だと認められないのか、ケースバイケースで判断されるということになり、明確な基準を定立することができませんが、条文から導かれる事項と、これまでに裁判例等で考慮されてきた事項を整理すると、概ね以下のようになるかと思われます。

著作物が公表されていること

 引用する著作物が非公開である場合には、引用できません(著作権法第32条第1項)。

 また、非公開の著作物を引用した場合、著作権侵害に加え、著作者の公表するか否か、公表方法などを決める「公表権」(著作権法第18条第1項)をも侵害することになります。

引用部分を明確に区別すること(明確区分性)

 引用部分を枠でくくるなど、どこからどこまでが引用部分なのかを明確にすることです。

自分の著作物が主であること(主従関係)

 引用は、自分の意見を補足するなどのために行うものですので、自分のコンテンツが主(メイン)で、引用元の情報が従(サブ)でなければなりません。

 例えば、アニメ紹介ブログで、アニメ画像を用いながらストーリーを解説し、最後に「今後の展開が気になるところです。」などと補足する程度では、メインとサブが逆転しているため、引用とはいえません。

引用の必要性、相当性があること

 引用は、もともと著作権侵害となる行為を例外的に許容する制度です。そのため、引用が認められるには、引用する必要性があり、かつ、最小限の範囲に抑えられていなければなりません。

 例えば、ブログやウェブサイトの集客目的、装飾目的でアニメ、映画、マンガの切り抜き画像を掲示することは、引用の必要性が認められません。

改変しないこと

 引用の際には元の表現を改変してはいけません(ただし、要約引用は可とされています。東京地判平成10年10月30日)。

 また、改変すると、上記のとおり著作者の同一性保持権翻案権を侵害するおそれも生じます。

引用元(出所、出典)を明示すること

 どこから引用したものなのかを明確にすることです(著作権法第48条)。

 引用元が書籍の場合は作品名、著者名、出版社名、発行年、該当ページなどで、引用元がウェブサイトの場合はサイト名、URLなどで表記するのが一般的です。

著作権等を侵害した場合の法的責任、罰則

民事上の請求

 著作権等の侵害があった場合、著作権者より、次の請求を受ける可能性があります。

  • 侵害行為の差止請求(著作権法第112条)
  • 損害賠償請求(民法第709条、著作権法第114条)
  • 不当利得返還請求(民法第703条、第704条)
  • 名誉回復措置の請求(著作権法第115条、第116条)
  • アカウント停止(BAN、バン)等請求

刑事上の罰則

 上記の民事責任の他、著作権者の告訴があると刑罰を科せられることもあります(親告罪)。

 著作権の侵害は、10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処され、又は併科されるとされています(著作権法第119条第1項)。

 著作者人格権の侵害は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処され、又は併科されるとされています(同条第2項第1号)。

第119条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(・・・)は、10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一 著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(・・・)
(以下省略)

著作権法
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